ぱひゅん

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【読み物録】三番目の魔女

三番目の魔女
レベッカ・ライザート

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※ネタバレするよ。

シェイクスピアの『マクベス』をもとにした小説。
作者は劇作家で、これで小説家デビューしたらしい。

お城だとか剣だとか魔法だとか、ヨーロッパの中世の世界観が大好きな私には楽しめるものだったし、訳の言葉選びも個人的には好きだった。
何よりも、児童文学に見せかけて主人公の人間としての弱さとか狡さがリアルだったのが印象的。
純粋無垢で、正義感が強い児童文学の主人公を期待するとイラッとするレベル。

ただ、母親への愛みたいなものが絶対に裏切らない大前提にある気がして、もやっとした気分。
憎む相手は父親を殺した母親の愛人じゃなくて、殺人をそそのかした母親じゃないの...??
主人公から母親に対する憎しみの描写もあるんだけれども、殺したい相手はあくまで「あいつ(母親の愛人)」なんだよね。
母親を殺したいっていう描写は一切ない。 そこに対する気持ちの渦巻きがもっとあったらすんなり入ってきたのかも。